少年野球の審判の動き方！フォーメーション〔ランナー無し編〕図解！

少年野球の試合や練習試合などを観ていると、審判はグランドを動き回ってジャッジしていますね。

特に長打の場合には顕著にわかりますよね。

4名の審判員はプレイのジャッジを見落とすことなく、お互いに連携し合って動いています。

この審判の動きをフォーメーションあるいはメカニクスといいます。

フォーメーションには、ランナーが塁を占有する仕方、およびバッターの打球で、4名の審判が各塁でのジャッジあるいは触塁をカバーする形態が様々あります。

そこで今回は、私自身の経験も交え、ランナー無しの場合を例に挙げ、各審判の動き方について図解で説明していきます。

私は関西圏の県軟式少年野球協会に所属しており、A級ライセンス（県大会の球審、塁審ができる資格）を取得し、現在も現役で審判を行っています。

ランナーが各塁にいない場合
まとめ

ランナーが各塁にいない場合

各審判の立ち位置

最もオーソドックスな基本形であり、試合開始時などによく見る光景でもありますね。

各審判の立ち位置について、詳しくは下記の関連記事を参考にしてみてくださいね。

左翼手よりライン寄りの打球を3塁審が追った場合

フライの場合

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・赤実線：本来の動き
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・白点線：落球した場合の動き

審判	審判の動き
球審	キャッチャー前に出て、打球の行方を追う。落球があった場合、バッターランナーの1塁ベース、2塁ベースでの触塁を補助的に確認する。バッターランナーが2塁ベースを回れば、3塁ベースでのタッグプレイに備える。
1塁審	落球があった場合に備えて1塁ベース近くへ寄る。落球があった場合には、バッターランナーの1塁ベースの触塁を確認する。
2塁審	落球があった場合に備えて2塁ベース近くへ寄る。落球があった場合には、バッターランナーの1塁ベースの触塁を補助的に遠目で確認する。2塁ベースに向かえば、2塁ベースでのタッグプレイに備える。
3塁審	打球を追いかけ、ジャッジ（この場合、アウト・セーフ(ノーキャッチ)・フェア・ファイル）する。 ※落球があった場合、プレイが一段落するまで、その場に留まる。ダイヤモンド内に戻らない。

長打の場合

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・赤実線：本来の動き
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・赤点線：長打を確信した場合の動き

審判	審判の動き
球審	キャッチャー前に出て、打球の行方を追う。長打を確信すれば、バッターランナーの1塁、2塁ベースの触塁を補助的に確認しながら、3塁ベースでのタッグプレイに備える。さらに本塁ベースに向かえば、3塁ベースの触塁を確認する。
1塁審	1塁ベース近くへ寄り、バッターランナーの1塁ベースの触塁を確認する。2塁、3塁ベースの触塁を補助的に遠目で確認しながら、本塁ベースでのタッグプレイに備える。
2塁審	ダイヤモンド内に入り、1塁ベースの触塁を補助的に遠目で確認し、2塁ベースでのタッグプレイに備える。3塁ベースに向かえば、2塁ベースの触塁を確認する。さらに本塁ベースに向かえば、3塁ベースの触塁を補助的に遠目で確認する。
3塁審	打球を追いかけ、ジャッジ（この場合、長打のためフェア）する。その後、ボールと左翼手を追いかけ、プレイが一段落するまで、その場に留まる。外野奥にボールデッドゾーンがあれば、確認のうえ、ルールに従ってジャッジ（ツーベースなど）する。 ※ダイヤモンド内に戻らない。

ゴロの場合

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・赤実線：本来の動き
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・白点線：打球を後逸した場合の動き

審判	審判の動き
球審	キャッチャー前に出て、打球の行方を追う。左翼手が後逸する可能性があるため、プレイが落ち着くまで確認する。仮に打球を後逸すれば、長打の場合と同様な動きになる（バッターランナーの1塁、2塁ベースの触塁を補助的に確認しながら、3塁ベースでのタッグプレイに備える。さらに本塁ベースに向かえば、3塁ベースの触塁を確認する）。
1塁審	1塁ベース近くへ寄り、バッターランナーの1塁ベースの触塁を確認する。少年野球では打球が強い場合には、左翼手はレフトゴロを狙うことがあるため、送球に対して直角に入りジャッジに備える。仮に打球を後逸すれば、長打の場合と同様な動きになる（バッターランナーの1塁ベースの触塁を確認した後、2塁及び3塁ベースの触塁を補助的に遠目で確認しながら、本塁ベースでのタッグプレイに備える）。
2塁審	2塁ベース近くへ寄り、1塁ベースの触塁を補助的に遠目で確認する。仮に打球を後逸すれば、長打の場合と同様な動きになる（ダイヤモンド内に入り、2塁ベースでのタッグプレイに備える。3塁ベースに向かえば、2塁ベースの触塁を確認する。さらに本塁ベースに向かえば、3塁ベースの触塁を補助的に遠目で確認する）。
3塁審	打球を追いかけ、プレイが落ち着くまで確認する。仮に打球を後逸すれば、長打の場合と同様な動きになる（ボールと左翼手を追いかけ、プレイが一段落するまで、その場に留まる。外野奥にボールデッドゾーンがあれば、確認のうえ、ルールに従ってジャッジする）。 ※ダイヤモンド内に戻らない。

右翼手よりライン寄りの打球を1塁審が追った場合

フライの場合

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・赤実線：本来の動き
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・白点線：落球した場合の動き

審判	審判の動き
球審	キャッチャー前に出て、打球の行方を追う。そのまま、落球の可能性もあるため、1塁ベース近くに寄り、バッターランナーの触塁を確認する。
1塁審	打球を追いかけ、ジャッジ（この場合、アウト・セーフ(ノーキャッチ)・フェア・ファイル）する。 ※落球があった場合、プレイが一段落するまで、その場に留まる。ダイヤモンド内に戻らない。
2塁審	落球があった場合に備えて2塁ベース近くへ寄る。落球があった場合には、バッターランナーの1塁ベースの触塁を補助的に遠目で確認する。2塁ベースに向かえば、2塁ベースでのタッグプレイに備える。
3塁審	落球があった場合に備えて3塁ベース近くへ寄る。落球があった場合には、バッターランナーの1塁ベース、2塁ベースの触塁を補助的に遠目で確認する。2塁ベースを回れば、3塁ベースでのタッグプレイに備える。

長打の場合

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・赤実線：本来の動き
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・赤点線：長打を確信した場合の動き

審判	審判の動き
球審	キャッチャー前に出て、打球の行方を追う。長打を確信すれば、バッターランナーの1塁ベースの触塁を確認する。その後、2塁、3塁ベースの触塁を補助的に確認しながら、本塁ベースでのタッグプレイに備える。
1塁審	打球を追いかけ、ジャッジ（この場合、長打のためフェア）する。その後、ボールと右翼手を追いかけ、プレイが一段落するまで、その場に留まる。外野奥にボールデッドゾーンがあれば、確認のうえ、ルールに従ってジャッジ（ツーベースなど）する。 ※ダイヤモンド内に戻らない。
2塁審	ダイヤモンド内に入り、1塁ベースの触塁を補助的に遠目で確認し、2塁ベースでのタッグプレイに備える。3塁ベースに向かえば、2塁ベースの触塁を確認する。さらに本塁ベースに向かえば、3塁ベースの触塁を補助的に遠目で確認する。
3塁審	3塁ベース近くへ寄り、プレイが一段落するまでグラウンド全体を見渡す。バッターランナーの1塁ベースの触塁を補助的に遠目で確認する。2塁ベースを回れば、2塁ベースの触塁を補助的に遠目で確認しながら、3塁ベースでのタッグプレイに備える。さらに本塁に向かえば、3塁ベースの触塁を確認する。

ゴロの場合

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・赤実線：本来の動き
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・白点線：打球を後逸した場合の動き

審判	審判の動き
球審	キャッチャー前に出て、打球の行方を追う。右翼手が後逸する可能性があるため、プレイが落ち着くまで確認する。仮に打球を後逸すれば、長打の場合と同様な動きになる（バッターランナーの1塁ベースの触塁を確認する。その後、2塁、3塁ベースの触塁を補助的に確認しながら、本塁ベースでのタッグプレイに備える）。
1塁審	少年野球ではライトゴロになる場合がよくあるため、右翼手からの送球に対して直角に入りジャッジに備える。このとき、バッターランナーとの交差には十分に注意する。仮に打球を後逸すれば、長打の場合と同様な動きになる（ボールと右翼手を追いかけ、プレイが一段落するまで、その場に留まる。外野奥にボールデッドゾーンがあれば、確認のうえ、ルールに従ってジャッジする）。 ※ダイヤモンド内に戻らない。
2塁審	2塁ベース近くへ寄り、仮に打球を後逸すれば、長打の場合と同様な動きになる（ダイヤモンド内に入り、2塁ベースでのタッグプレイに備える。3塁ベースに向かえば、2塁ベースの触塁を確認する。さらに本塁ベースに向かえば、3塁ベースの触塁を補助的に遠目で確認する）。
3塁審	3塁ベース近くへ寄り、プレイが一段落するまでグラウンド全体を見渡す。仮に打球を後逸すれば、長打の場合と同様な動きになる（バッターランナーの1塁ベースの触塁を補助的に遠目で確認する。2塁ベースを回れば、2塁ベースの触塁を補助的に遠目で確認しながら、3塁ベースでのタッグプレイに備える。さらに本塁に向かえば、3塁ベースの触塁を確認する）。

左翼手から右翼手までの打球を2塁審が追った場合

フライの場合

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・赤実線：本来の動き
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・白点線：落球した場合の動き

審判	審判の動き
球審	キャッチャー前に出て、打球の行方を追う。落球があった場合、バッターランナーの1塁ベース、2塁ベースでの触塁を補助的に確認する。バッターランナーが2塁ベースを回れば、3塁ベースでのタッグプレイに備える。
1塁審	落球があった場合に備えて1塁ベース近くへ寄る。落球があった場合には、バッターランナーの1塁ベースの触塁を確認する。
2塁審	打球を追いかけ、ジャッジ（この場合、アウト・セーフ(ノーキャッチ)）する。 ※落球があった場合、プレイが一段落するまで、その場に留まる。ダイヤモンド内に戻らない。
3塁審	落球があった場合に備えて2塁ベース近くへ寄る。落球があった場合には、バッターランナーの1塁ベースの触塁を補助的に遠目で確認する。2塁ベースに向かえば、2塁ベースでのタッグプレイに備える。

長打の場合

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・赤実線：本来の動き
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・赤点線：長打を確信した場合の動き

審判	審判の動き
球審	キャッチャー前に出て、打球の行方を追う。長打を確信すれば、バッターランナーの1塁、2塁ベースの触塁を補助的に確認しながら、3塁ベースでのタッグプレイに備える。さらに本塁ベースに向かえば、3塁ベースの触塁を確認する。
1塁審	1塁ベース近くへ寄り、バッターランナーの1塁ベースの触塁を確認する。2塁、3塁ベースの触塁を補助的に遠目で確認しながら、本塁ベースでのタッグプレイに備える。
2塁審	打球を追いかけ、ジャッジ（この場合、長打のためフェア）する。その後、ボールと中堅手を追いかけ、プレイが一段落するまで、その場に留まる。外野奥にボールデッドゾーンがあれば、確認のうえ、ルールに従ってジャッジ（ツーベースなど）する。 ※ダイヤモンド内に戻らない。
3塁審	2塁ベースに向かってダイヤモンド内に入り、1塁ベースの触塁を補助的に遠目で確認し、2塁ベースでのタッグプレイに備える。3塁ベースに向かえば、2塁ベースの触塁を確認する。さらに本塁ベースに向かえば、3塁ベースの触塁を補助的に遠目で確認する。

ゴロの場合

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・赤実線：本来の動き
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・白点線：打球を後逸した場合の動き

審判	審判の動き
球審	キャッチャー前に出て、打球の行方を追う。中堅手が後逸する可能性があるため、プレイが落ち着くまで確認する。仮に打球を後逸すれば、長打の場合と同様な動きになる（バッターランナーの1塁、2塁ベースの触塁を補助的に確認しながら、3塁ベースでのタッグプレイに備える。さらに本塁ベースに向かえば、3塁ベースの触塁を確認する）。
1塁審	1塁ベース近くへ寄り、バッターランナーの1塁ベースの触塁を確認する。少年野球では打球が強い場合には、中堅手はセンタゴロを狙うことがあるため、送球に対して直角に入りジャッジに備える。仮に打球を後逸すれば、長打の場合と同様な動きになる（バッターランナーの1塁ベースの触塁を確認した後、2塁及び3塁ベースの触塁を補助的に遠目で確認しながら、本塁ベースでのタッグプレイに備える）。
2塁審	打球を目で追いかけ、プレイが落ち着くまで確認する。仮に打球を後逸すれば、長打の場合と同様な動きになる（ボールと中堅手を追いかけ、プレイが一段落するまで、その場に留まる。外野奥にボールデッドゾーンがあれば、確認のうえ、ルールに従ってジャッジする）。 ※ダイヤモンド内に戻らない。
3塁審	2塁ベースへ近寄りながら、1塁ベースの触塁を補助的に遠目で確認する。仮に打球を後逸すれば、長打の場合と同様な動きになる（2塁ベースに向かって、ダイヤモンド内に入り、2塁ベースでのタッグプレイに備える。3塁ベースに向かえば、2塁ベースの触塁を確認する。さらに本塁ベースに向かえば、3塁ベースの触塁を補助的に遠目で確認する）。